ライフロガーセンサー付きTシャツ
(http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2602X_W4A620C1000000/)
フランスCityzen Sciencesは、服や布をウエアラブル端末として利用する技術を開発。その技術を用いたシャツ「D-Shirt(digital shirt)」を試作した。
D-Shirtは、帝人が提供する伸縮性の高い繊維に、独自の導電性繊維をあたかもフレキシブルディスプレーのバックプレーンの配線のようにX、Y方向に織り込み、配線の交点にマイクロプロセッサーやセンサーチップを実装したもの。自動化した製造プロセスで、まずこの配線を織り込んだ“布”を製造。その後、裁断や縫い合わせの後に“服”に仕立てたとする。
実装を想定するセンサーは、心拍センサー、体温センサー、水分(汗)センサー、圧力センサー、GPS(全地球測位システム)、速度および加速度センサー、ジャイロセンサーなどだという。
スマートフォン(スマホ)などととは、Bluetooth 4.0の低消費電力仕様である「BLE」に基づく通信機能でデータをやりとりする。
これらのセンサーに供給する電力は、まずは小型のボタン電池などを利用する。ただし、「数年前から信州大学とエネルギーハーベスティングによる電池不要の給電技術を共同で開発中」(Cityzen Sciences President&CEOのJean-Luc Errant氏)という。例えば、体の動き、体温、太陽光などで発電する素子を利用する技術である。
最初の製品は2014年末に、自転車スポーツ市場に向けて発売する計画。そのほか、自動車のシートやストッキング、テニスウエアなどへの応用を考えているが、「基本は各用品メーカーのブランドの製品であり、我々は表に出ない」(Errant氏)という。
気になるのはこのシャツが洗えるのかどうかという点。Cityzen Sciencesは「もちろん洗える」(Errant氏)とするが、マイクロプロセッサーや各センサーチップ、配線などをどのように水分から守るかは明らかにしなかった。
スマートTシャツとモジュール(出所:IMEC)
(http://www.nikkei.com/article/DGXMZO88553790W5A620C1000000/)
ベルギーIMECとオランダHolst Centreは「IMEC Technology Forum 2015 Brussels」(2015年6月23~24日、ブリュッセル)において、「最も先進的なスマート衣服(Tシャツ)」をうたうヘルスケア向け技術を披露した。このTシャツを着ると、心電図を精度よく測れることに加え、活動状況を認識してエネルギー消費量を算出できる。着用者の心拍数や活動状況、燃焼カロリーなどのデータを、モバイル端末などを介してクラウドで共有することが可能だ。
心電図測定用に、フレキシブルで伸縮性に富む独自の相互配線技術を採用。柔軟性や伸縮性、通気性、軽量性といった繊維本来の性質を損わずに、洗濯もできる。低電力のマルチセンサーデータ収集用チップ(multi-sensor data acquisition chip:MUSEIC)に、マイクロプロセッサーを実装。Bluetooth無線チップや電池などと併せて、SDカードとほぼ同寸法のモジュールに仕上げた。同モジュールは重さわずか7g。電池を交換したりTシャツを洗濯したりする際には取り外し可能だ。
洗濯もできる(出所:IMEC)
このTシャツには「呼吸数計測や脱水モニタリングの機能を追加できる」(IMEC/Holst Centreでフレキシブル・システム集積技術プログラムマネージャーを務めるJeroen van den Brand氏)という。着用者に情報をフィードバックできるように、コミュニケーション機能も持たせる考え。そこに向けては「フレキシブルなスマートディスプレー技術を採用したい」(同氏)。
(服部コンサルティング インターナショナル 服部毅)
ランニングやウォーキングなどでスマホやウェアラブル端末などを身に付ける必要がなくなるのでいいかもしれません。
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