FESPA Global Print Expo 2022 DTFについて
3年ぶりのFESPA劇的に進化した印象はなかったですが、やはり新しい機器がたくさん出ていました。
この中でもDTF(Direct to Film)もDTF(Direct to Fabric)どちらも新しいものがありました。どちらもDTFプリンターと呼んでいるので非常にややこしいです。
DTF(Direct to Film)
Filmに直接インクジェットプリントしインクの上にバインダーのパウダーを降りかけそのパウダーを熱で固めることで転写シートを作ることができる仕組みで全世界で広がっていることは間違いなく品質の高さからしても今までの転写方法と比べても非常に可能性の高い方法であることは間違いないと思います。
FESPAでも約20社のDTFに関連するプリンター販売の会社やフィルム会社が出ていましたが、プリンター自体は大手メーカーからの出展はなくほとんどが中国製のプリンターをそのまま販売していました。
DTFプリンターは世界中でたくさん販売されているようですが、すぐにヘッドが詰まりバンディング(印刷面に規則的に横スジが入る)が頻繁に発生する問題が多く中には100台以上大量に返品されたという話も聞きました。
それも当然のはずでインクを真空パック化している会社は1社のみでした。
ヘッドの詰まりやすさは気温や湿度に大きく影響するため、湿度の高い季節では問題が少なく気温の低下や湿度低下で問題が発生しやすくなりまず。
当社でも中国製のプリンターを販売していますが、インクは日本製の独自のDTF専用インクを開発し更に真空パック化していることでヘッドの詰まりのリスクやバンディングの発生頻度を大幅に減少することができました。
DTFインクの輸出も進めていきます。(英語版)
DTF(Direct to Fabric)
濃色生地に白インクの印刷ができるプリンター
事前に物は見ていましたが、染料インクから徐々に顔料インクが広がっていく中で今までのDTFプリンターでは淡色生地にしか印刷できなかったものが白インク搭載のDTFプリンターで濃色生地に印刷ができることで表現の幅が一気に広がります。
まだ現時点では白インクのみのようですが今後はカラー印刷もできるようになるとのこと。
DTFでは顔料インクの摩擦堅牢度と風合いの違和感が最大のネック。
プリンターも大きく値段も高く同じ生地でバリアブルのデザインを印刷することは問題ないですが、生地の種類を変えるには現時点では手間もかかり難しいと思う。